ならず者IoTエンジニアが由緒正しきシステム監査技術者になってしまった件(1)
はじめに
というわけで合格してしまいました。
SS、ES、SAに続き、4つ目の高度情報処理技術者タイトル取得で、今回のシステム監査技術者は高度試験の中でも難関3本柱の一つなので、なかなかのタイトルを得たことになります。
スコア的には首の皮1枚…というか、午後Ⅰは文字通り当落線上なので、あまり威張れる成績ではないのですが、最大の難関である午後Ⅱもパスしたわけですから、背伸びして胸を張ろうかと思います。
ただ、今回の試験は従来までの試験とだいぶ勝手が違いました。
その辺りについて話をしつつ、今後システム監査技術者を目指す人のための参考情報を残しておく、というのが、ギリギリで勝ち残ってしまった合格者としての責務かな、と思ったので、ここに残しておこうかと思います。
今回は4部作ぐらい。サブタイトルは特にひねらずに行きます。
事前状態
- 高度情報処理技術者は3つ(SS,ES,SA)取得済み。
- 論文試験も経験済み。
システム監査技術者試験の受験経験はない1。
監査人の実務経験はない。
被監査側としての実務経験も乏しい。
- 1,2回社内のISO9001内部監査を受けた程度。
監査技術者の試験を受けるくせに、監査、被監査の経験が乏しい、ってのは、システム監査技術者試験受験者のあるあるだったりします。
監査人の実務を経験するには、
- システム監査を行う監査法人等で働いているか
- 大企業の監査部門に勤めているか
- あるいは実働部隊のシニアエンジニア/マネージャが監査人研修を受けて行うか
ぐらいのケースしかありません。
ましてや、監査という行為自体は比較的大きめの、コンプライアンスを重要視するような大企業で行うことが多く、中小企業勤務のエンジニアが監査人を行うケースは少ないといえます。
私もその例に漏れず、キャリアの中で監査人としての経験を積む機会はありませんでした。
なので、ここで伝えたいことはただ一つです。
- システム監査人の実務経験がなくても、システム監査技術者試験に合格することは可能。
そこかしこで言われていることなんですが、私自身が一つ実証事例を積んだので、お伝えしておこうかと思います。
教材について
今回はシステムアーキテクトの時と違って、参考書、問題集を買って独学で臨みました。
購入した書籍類
買ったのはですね…。
2019 徹底解説 システム監査技術者 本試験問題 (本試験問題シリーズ)
- 作者:アイテックIT人材教育研究部
- 出版社/メーカー: アイテック
- 発売日: 2018/10/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
システム監査技術者合格論文の書き方事例集 第5版 (合格論文シリーズ)
- 作者:アイテックIT人材教育研究部
- 出版社/メーカー: アイテック
- 発売日: 2017/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:島田 裕次
- 出版社/メーカー: 同文舘出版
- 発売日: 2019/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
大体この辺。だいぶ買ってますね。
実は情報処理教科書は2018年度のものを読んでました。昨年受けようかどうか迷いながら読んでたんですよ。TOEICが早めに800に達したら受けようかと思ってもいたんですが、結果が出たのが5月になってからだったので。
なので、メインで使ったのはもっぱらiTECの3冊です。
合格論文の書き方事例集は、システム監査技術者の論文は言うに及ばず、『そもそも文章なんて書くの辛いよぉ』って人が読み始めても良いレベルの導入になっています。論文苦手勢には一読の価値ありです。
あと、監査人としての経験が乏しいことを考えると、机上知識でもよいので、
- どんなシステムが監査対象となり、
- どんな監査テーマが設定され、
- どのような手順で監査が進み、どのように監査証拠を集め、
- 監査結果と監査意見をどのようにまとめて表明し
- その中で監査人はどう振舞えばよいか
ということを必ず知見として獲得しておかないといけません。その意味で後の2冊(書き方事例集と実務解説)は、特に未経験者にとって有用な2冊です。
基準類
あ、そうそう。大事なのを忘れてました。タダで手に入る奴なんですけど。
システム監査基準 https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/system_kansa_h30.pdf
システム管理基準 https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/system_kanri_h30.pdf
この2冊には必ず目を通し、可能な限り頭に叩き込んでおきましょう。
システム監査技術者試験は、この両者を基準や行動規範として念頭に置いて作問されているのです。いうなれば公式の教科書も同様です。
特に今年はこの傾向が顕著で。なぜかって?
ちょうど去年の試験が終わった直後に改訂されたからです。つまり今年(2019年)の試験が新基準での試験1発目だったんですよ。そりゃぁ試験側も聞きたくなるってもんです。
いずれにせよ、今後も両基準はシステム監査技術者試験の問題作成、採点基準になるので、受験者は必ず理解したうえで、単発知識を聞かれても可能な限り答えられるようにしておきましょう。
次は試験勉強の話をします。以下次号。
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つまり今回の試験も一発合格。↩