組み込みエンジニアが目指すIoTストラテジストへの道(4)
本試験
というわけで本試験の会場にやってきたのだ。
会場
半年前にシステム監査技術者試験を受けた会場と同じ大学で、勝手知ったる会場。
午前Ⅰの終了時間を過ぎてもしばらく教室に入れなくて、午前Ⅰ免除者が数分待たされてましたね。
午前Ⅱ
いつもどおり過去問でたいてい押さえられますが、ちょくちょく新問が入っていて、そこから聞いてくるのかー、ってのはいくつかありましたね。
問2 官民データ活用推進基本法などに基づいて進められているオープンデータバイデザインに関して、行政機関における取り組みの記述として、適切なものはどれか。
問11 企業や組織の目標管理の仕組みとしてOKR(Objectives and Key Results)を活用する時、OKRの目標(Objectives)及び主な結果(Key Results)に関する記述として、適切なものはどれか。
この辺りはボーナス問題と言うか、知っていたほうがベターという位置づけなんでしょうけど、受験者の予備知識次第で難易度が変わってきそうな印象でした。
いずれにせよ、ここは私も含めて空気のように乗り越える、って感じでした。過去問をちゃんとやってきていれば6割は普通に超えるはず1。
午後Ⅰ
問題選択
ITストラテジストの午後Ⅰは4問出題、かつ1問が組み込み系問題(問4)なので、問4の選択は確定として、あと1問をどうするか、と。
問1は最近自社でもよく耳にするようになったDX(デジタルトランスフォーメーション)の話だったのですが、いかんせん問題文が長い。
ITストラテジスト試験の午後Ⅰ過去問を解いて自己採点評価したとき、私自身の傾向として気づいた点があって。
- 問題文が長い問ほど、正答率が低下する
という傾向だったんですよ。なので、事前に設定した本試験の問題選択ポリシーの一つは、
- 長文の問題は避けよ。
という極めてシンプルなポリシー。
午後Ⅰの問題選択にあたっての最適なポリシーは、区分によっても、受験者の予備知識によっても大きく変わるところなんですが、ITストラテジスト試験の午後Ⅰ攻略の一般原則としては、上記は結構有効だと思っていて。
他の試験区分だと、表や図を探したり、複雑な計算をする代わりに長文の問題を解く、って選択の仕方をしたりするんですが、ITストラテジスト試験の答えは、基本的に日本語の問題文にしかないわけですよ。
午後Ⅰの解答時間が90分しかなく、自身の日本語読解量が有限であることを考えると、なるべく早く問題文を読み解いてしまったほうが、解析と解答に要する時間を多く取れるな、と。
このポリシーで2019年度問1〜問3の問題を選ぶとしたら、選択肢は一つしかありません。設問記述含めて4ページしかない問3で確定です。
で、実際問3を解いてみると、何の予備知識も要求していない割にはかなり簡単で。おそらくここの問題選択は適切だったなぁと思っています2。
組み込み系問題(問4)
問4は、Web系やオープン系と違って、どうしてもB2Bの商流に束縛され、会社の殻にこもりがちな組み込み系メーカ企業にあっては非常にあるあるな環境の中、顧客からの要求に答えるだけでなく、逆にレバレッジをかけて自社の価値を高めていくという、組み込み屋として非常に理想的な戦略が書かれていて。
問題を一通り解いた後で、理想事例ながら、そのたくましさに思わず感心してしまいました。組み込みストラテジストとしてはかくありたいものです。
ひとつだけ残念だったのは、設問3(2)で、『空飛ぶクルマ事業』を答えそこねたこと。
災害時の救急搬送や迅速な物資輸送などを想定した"空飛ぶクルマ"の構想と、その実現に向けたロードマップを示した。
このフレーズは見てたんですが"事業"という言葉には結びつかなかったですね。ここに書かれているのは政府の構想であって、直接事業化することはできないもの、という印象を問題文から受けたので。私の予断といえば予断なんですけど、問題文として両者をつなぐ表現があったほうが、誤解がなくて良かったですね3。
さて。今回はちょっと短いですがここで切りましょう。
午後Ⅱはこの試験の特徴通り、これだけ練習してきた私にとって(むしろ私自身のために用意されたかのような)大きな罠が待ち構えていて、文字通り最後にして最大の敵になったので、次回に詳しく書いておきたいと思います。