介護に立ち向かった際に参照した情報源
ここまで初期体制構築について書いてきたのですが、この構築の間、私も結構勉強しまして。
みんなの介護の川内さんから、『あまり勉強しすぎるな』と言われたものの、プロをハンドリングするには、プロの語彙をある程度知って、業務の流れを把握しておかないと手綱を失うものです。
ここでは、私が在宅介護に対峙した際にあたった情報源をリストアップしておきます。
Youtube動画
長谷川嘉哉「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」チャンネル
我が家の介護は認知症だったので、何といってもこれが一番助けになりました。
認知症専門医の長谷川先生がYoutubeで情報発信をしてくれていて、認知症介護で非常にきついポイントについて、的確なアドバイスをしてくれます。
非常にたくさんの動画があるんですが、認知症家族に対して一番おすすめなのはこれです。
認知症介護は脳の進行度という見えない敵が相手の撤退戦になるんですが、この進行度というのが読めないのです。予想より早かったり遅かったりする。
これに付随して介護家族の負荷も読めなくなってきます。急に介護負荷がぐっと増え、そのままズルズル継続する可能性もあるのです。
さらに、認知症は進行すると社会的にできることが加速度的に減っていきます。最初は元気に散歩できていたのが、そのうち銀行にもいけなくなり、最後は名前も書けなくなる。
単なる身体の老化と違う点はここにあって、認知症家族は、こうした将来の不確定性について、先に手を打っておかないと詰んでしまうのです。これが非常に怖い。
なので、『今は大丈夫』と思っているうちに、将来必要になってくる手を『今』打っておくことが非常に重要になってきます。
もう一つは、これから出てきますが施設入所に関する決断と動き方の話です。
認知症は残念ながら進行不可避です。いつかは必ず在宅介護負荷が自宅の介護力を超える日がやってきます。
なので、在宅介護をしているタイミングから、
- 施設入所をいつ、どのように決断するか。
- 施設をどう選ぶべきか。
- どのように自分の心(自分の中の罪悪感)の折り合いをつけていくか。
これらを先に、正視眼で考えておく必要があります。
この他にも、認知症介護家族にとっては、状況によってかなり刺さるものがあると思いますので、是非探してみてください。
親ケア.com
もうひとつはここですね。
こっちは認知症と言うより介護全般の基礎知識を付けるのによいです。
介護認定の話とかもここで説明されています。
あとは施設入所のところでもかなり背中を押してもらいました。
これは後でも出てきますが、些細なことながら、施設に入れる時、介護家族が本当に悩むことです。
書籍
認知症系
書籍系で一番効いたのはこれかもしれません。
認知症の親を介護している人の心を守る本
特にこの図が非常に重要です。続けられる介護と続けられない介護の差。

本人が満足でも、一部の人間が割りを食うような介護ってのは続けられない介護です。
介護に関わる関係者が程々に割りを食い(お金や時間を失う)ながら、本人にもある程度の不自由を負ってもらいながら実施する介護というのが、実は続けられる介護です。
この割り切りは在宅介護の体制維持上、極めて重要です。『本人最優先!』という哲学を中心に据えてしまうと、必ず誰かにしわ寄せが行くからです。
例えば本人に遠慮しすぎると、家族の負荷を軽減するための介護サービスを導入できないという問題が発生します。また、本人の意思を理由に外部や第三者が余計なことを言う現象(いわゆる"ぽっと出症候群")によって介護家族が責められたりしがちです。
介護の負荷に聖域はなく、口を出すほどの関係者なら責任や負荷も一緒に負ってもらうし、それは本人も例外ではない。
この割り切りがしっかりできると、介護体制全体として、必要な介護サービスの導入も(本人の意志とは別に)冷静に進められますし、施設入所も冷静に考えることができるようになります。
これ以外にも、認知症介護でぶつかる個々の問題に対する実践的なアドバイスが多くおすすめです。
認知症は決断が10割 介護は、決断次第で天国にも地獄にも!
前述の長谷川先生の本です。
ちょうど介護中に出版された本で、認知症介護家族は一読しておくと良いです。
この本の重要性は、先程Youtube動画をご紹介した際に触れた決断の重要性で、まさにタイトルにそれが示されています。
認知症患者さんを抱えるご家族が、介護生活を送る上で、どんな『決断』をすれば後悔せずに済むのか
について、しっかりしたリストを元に章立てが行われています。
私はこれを読む時点で長谷川先生の動画をガッツリ見ていたので、『決断、大事だよね』ってうなずきながら読んでたんですが、今から認知症の家族の介護を始めるという方がいたら、たぶん最初にこれを読んだほうが良いと思っています。
ボケ日和
同じく前述の長谷川先生の本です。認知症の進行を春夏秋冬に割り当てつつ、症状進行について症例を紹介しながら説明しており、認知症の全体像を捉えるための読み物としてさっと読める本です。
個々の介護の局面に対して効く系の本ではないのですが、この本がありがたいのが、『認知症進行の全体像が見える』こと。
今どの季節にいて、これからどういうことが想定され、最終的にはどうなるのか、という進路、方向性を示してくれる点が貴重です。
家族で「軽度の認知症」の進行を少しでも遅らせる本: 正しい理解と向き合い方
これは参考程度に読みました。
悪くない本でしたが、我が家で診断を受けた際はすでに中等度で、進行抑制と言うより介護に完全に入ってしまっていたので。
認知症の人の「かたくなな気持ち」が驚くほどすーっと穏やかになる接し方
健常者だとなかなか想像できないんですが、認知症の人と話をする、ってのは、実は結構難しいのです。
単に記憶が落ちているという中核症状だけではなく、周辺症状によって行動が健常者とは変容しており、その結果自信を喪失したり、逆に怒りやすくなったり、不安になるといった精神の不安定さが高まるからです。
認知症家族に対応する際には、健常者と同じように、安定した記憶、精神を期待して対話するのではなく、
『本人の意志に逆らわないながらも、必要に応じてこちらの進んで欲しい方向に誘導する』
といった特別な配慮が必要になってきます。
そういった事柄について気づき、示してくれる本です。対応がギスギスする前に読んでおくと良いと思います。
親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと
子供の視点から、親が認知症になったときの実務的な体制構築を考える際に読むと良いと思います。
特に遠距離介護の際にどうすべきかに注力している点がこの本のポイントです。
スマートスピーカーによる服薬の呼びかけとか、見守りサービスとか、IoTの活用などについてはこの本を読みながら考えました。
介護全般
親不孝介護 距離を取るからうまくいく
この本については前述しましたね。遠距離介護が始まることを想定して最初に読んだ本で、これをきっかけに介護相談に臨み、川内さんと話をしています。
資産管理系
ゼロからはじめる「家族信託」活用術(三訂版)
一応家族信託についても読んで勉強しました。
この本は"士業、専門家のための"と書いてある本なので、一般の人が読むのは結構難しく、法律の基本的な知見や読書体力が必要な本になってます。
一冊読んで思ったのは、
- 家族信託は要は信託契約なので、自力で契約を組むのもできなくはなさそうだけど、法域が広く複雑なので、やるなら専門家を噛ませるべきかもな。
- 会社やマンションを持っているなど資産規模が大きい人にとっては、専門家込みでやる価値はあるが、資産が小規模ならそこまで…。
というところでした。
このあと、施設入所までの間に母の資産を整理していくことにはなるのですが、一部の実務は私だけでやりきってしまっています。
今振り返っても家族信託契約を巻いて、サポートの専門家を付けるような規模ではなかったな、と思っています。
Webサイト
介護事業所・生活関連情報検索
これはケアマネ探しのところで紹介しましたが、私は使い倒しました。
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/
居宅介護支援事業所(ケアマネ)、デイサービス、ショートステイ、グループホームと、施設探しの際には必ずこのページで裏を取っています。
使い方については前述したのでそちらをご参照いただければ。
私はこれ以外の介護情報検索サイトは一切使っていません。このページの使い方を知っているというのは、ケアマネと同等の検索能力を持っているのと同じなので。
要介護認定
厚労省の介護認定に関するページです。ここは介護認定を受ける際に参照しておくべきです。
特にリンクが貼られているこの2冊は、一度通読しておくと良いでしょう。
- 認定調査員テキスト
- 介護認定審査会委員テキスト
初回の認定は前者を読み解いた弟が職員と対話しましたが、次回、介護度変更を賭けた更新認定では私がこの2冊両方を徹底的に読み解いて対策することになります。
自治体の介護に関するサイト
お住まいの自治体にはたいてい介護に関するサイトがあるはずですが、そのサイトは頻繁に目を通しておくと良いです。
例えば私の在住している千葉県船橋市だとこんなサイトになっています。
ここから船橋市独自の介護施設検索ページにアクセスしたり、介護家族交流会など、より地元に近い情報を得ることができます。
自治体によっては居宅介護支援事業所(ケアマネ)の受け入れ可能人数とか、グループホームの待機者数などが公開されています。私も参照しながら母の施設利用を検討していました。
とりあえずこれぐらいですかね。このページはまた気がついたら適宜情報を追加しておきます。
次はちょっとITエンジニアっぽいことを話しましょう。介護を円滑に行うために考えたインフラや自宅の設備に関する話です。


































