dimeizaのブログ

興味のある技術(IoT/VR/Smart Speaker)とか、資格試験の話とか、日常で出会ったTechな話について書いています。

Developer's Summit 2016 【19-D-L】エンジニアを成長させるための組織作り 聴講メモ

講演資料

http://sssslide.com/speakerdeck.com/plasticscafe/enziniawocheng-chang-saserutamefalsezu-zhi-dukuri

概要

 リクルートコミュニケーションズにおいて行われている、エンジニアの成長を促進するための組織的な取り組みについて紹介する。

スピーカー

  • リクルートコミュニケーションズ(RCO)の阿部さん。
  • 独立系SIで何でも屋をやった後、RCOに入ってアドテクを立ち上げた。
  • 今年から、組織のスループット拡大を意識して、マネージャをやっている。

詳細

  • 前回のデブサミ(Ask The Speaker)で、エンジニアの成長環境について質問をもらった。
    • これを受けて、今回は組織的な取り組みを紹介したい。

リクルートコミュニケーションズ

  • リクルートグループは、事業分野ごとに事業会社を持っている。

    • 一方で事業横断な事柄について、機能外車を持っている。
    • リクルートコミュニケーションズは、事業横断でデジタルマーケティングを支援。
  • 自分が属するアドテク部は、クライアントとユーザのマッチングにアドテクノロジーでアプローチする。

  • 50名中、半分ぐらいがエンジニア。

  • エンジニアがプロダクトの開発、推進にコミットするスタイル。

    • エンジニアとプランナー両方でアイデア出し。
    • エンジニアの技術観点とプランナーのビジネス観点の両方で考える。
    • 見立てがついたら予算をつける。
    • 高速開発。
    • KPIを設定して仮設検証を繰り返し改善。
    • という流れ。

組織のスループットを上げる

  • 組織をシステムとして捉える

    • インプットされた経営資源に対して、何らかの組織価値をアウトプットするシステム。
    • 変換部分の処理能力を上げてやれば価値を増大できる。
  • エンジニアの組織である以上、組織の価値を高めるコア要因はエンジニアの成長。

  • 人的リソース管理の考え方

    • 従来モデルは『似たスキルを持っているメンバーをスケールさせる』
      • 人を増やすことで組織を成長させる。
    • 目指すモデルは『メンバー自身の成長で価値面積を拡大していく』
      • 各人の価値を増大させることで組織を成長させる。

エンジニアが発揮する価値

  • 3つあると考えている。

  • 現在開発しているプロダクトの価値を上げる

    • 新規開発、機能追加によって得られる価値。
      • 営業、企画、運用というロールがあり、それぞれ貢献率がある。
      • アドテクはアルゴリズムに依存するので、エンジニアの貢献率が高い。
  • 新規サービスにおいて、最終的に価値になるもの
    • 直接の売上にならなくても、最終的に価値になればOK。
  • 損失リスクの軽減的な意味での価値向上

    • 可用性、セキュリティ等。
    • 技術的負債を減らす、というのも入る。
  • まとめると、

    • エンジニアの価値は、組織に対して何らかのプラスの変化を起こす力。
    • これをいかに大きくできるか。

RCOにおける取り組み

  • マネージャとしての頑張りポイントは4つ。

『採用』

  • 組織とマッチするか?
  • 一緒に成長していけるか?

  • 現場の人間も採用プロセスには強くコミット

  • RCOで活躍しているエンジニア
    • プログラミングで高度な課題を解決していく。
    • 3度の飯よりプログラム好き(楽しんでやれる人)
  • 現場のエンジニアがコーディング試験を作成し採点
    • 組織が求めるスキルや性格を評価している。

『目標設定』と『評価』

  • 目標設定と評価は表裏一体
  • 設定した目標を達成できたかを評価している。
  • 目標は本人のWillとエンジニア価値から目標を設定
    • Will: どういう価値のあるエンジニアになりたいか。
    • エンジニア価値:課題解決によって実現できる価値は何か。
  • 業務を通してどれだけ成長できたかで評価する。
    • 査定ではなく、成長させるためのコミュニケーション
    • 目標の高度化と達成が継続循環すれば成長につながる。
  • Willに近い目標を設定できれば成長を加速できる。
    • なりたい姿に向けた活動は楽しい。
    • 楽しく取り組めば結果が出やすい。
    • 結果が出ればなりたい姿に近づける。
  • やりたいことと業務課題のマッチング
    • 完全一致しない。
    • が、業務課題にもWiilも幅がある。
    • 選択肢を組み合わせて両方を設定。
  • 本人のWillにより近いところを探してあげる。
  • RCOの文化として、以下を腹決めしている。
    • 『メンバーは成長すべきである』
    • 『マネジメントは成長を促進すべきである』
  • このマネジメントは結構しんどい。
    • Will、業務課題ともにしっかり見ないといけない。
    • 場合によっては案件自体を作りに行くことも。

『機会の提供』

  • 成長が業務の幅に束縛されてしまうので、機会を広げていく。
    • 勉強会
    • 機械学習大会
    • 開発合宿
      • ドローンを機械学習で動かしてみたりした。
      • エンジニアがワクワクするチャレンジの場を提供する。
    • カンファレンス参加支援
      • 技術トレンドに遅れないように。
  • 最終的には組織に価値が戻ってくる。
    • エンジニアのスキルベースアップ。
    • 最新技術や理論の還元。
    • エンジニアならではのチャレンジ。
      • 早稲田との共同研究事例(量子アーニング)
      • 外の勉強会でコネクションを作ったのがきっかけ

まとめ

  • エンジニアを成長させるための組織に必要なもの

    • エンジニアがチャレンジできる業務
    • ビジネス課題と価値発揮領域のマッチング
  • マネジメントの頑張りどころ

    • 採用
    • Willと業務課題のマッチング
    • 成長を意識した評価
    • 業務の枠にとらわれない成長の機会